サイトへ戻る

社内でリンクトイン営業研修を行うならここに注意しょう

リンクトイン研修のエキスパート、アカデミーインが注意していること

· LinkedIn,Education

リンクトインを利用した新しいスタイル、ソーシャルセリングの社内研修を行う場合の留意点について述べてみたいと思います。多くの研修を行ってきたアカデミーインのノウハウを公開します。

先にまとめから述べると結論と方法、それぞれ3つの点に留意すべきです。

社内でリンクトイン営業研修を行うならここに注意しょう アカデミーイン

結論

  1. 研修目標はリード及び引き合い獲得であることを徹底的に繰り返そう
  2. 結果の出やすい(実感しやすい)施策を先に行おう
  3. とにかく行動するを徹底しよう

研修方法

  1. MBA等で利用してるビジネスフレームワークを利用しよう
  2. 科学的そしてアカデミックなアプローチを取り入れよう
  3. アクティブラーニングを取り入れよう

となります。それぞれについて説明してきます。

結論1 - 研修目標はリード及び引き合い獲得であることを徹底的に繰り返そう

当たり前なんですが、研修をしているうちに、受講者の期待値がずれていくことがあります。期待値がずれると満足感が低くなります。最初にこのズレを発見出来た他場合は、修正やお互いの理解が可能ですが、研修終わりに差し掛かっての、ズレの発見はお互いに不幸な結果を生みます。営業は研修がつまらないと、忙しいとかお客さんと用事があると言って欠席が目立つようになります。

またリンクトインを利用したソーシャルセリングを利用するとすぐに結果が出ると勘違いする人もいます。ソーシャルセリングはリード及び引き合い獲得に非常に有効ですが、前提条件のリンクトイン活用の基本作業と、信頼構築のためのエンゲージメントが必要なります。そしてこれは短期では出来ません。

ですので、「簡単、誰にでも出来る、すぐに結果が出る」というような安いっぽいが非常に魅力的な言葉で受講生の注意を引くことは厳禁です。その代わり「時間投資が報われる」は非常に正しいメッセージです。

私が使う例え話は「金曜日の営業会議で同僚から文句が出るくらい、営業成績が上がるような話、興味ありますか?」です。

結論2 - 結果の出やすい施策を先に行う

これはお客様が喜んでくれます。英語ではlow hanging fruit といい、手に取れる低い位置にある収穫しやすいフルーツという意味です。研修ですと基礎が大事です。基礎から次のステップに進むとなるのですが、実はこのスピード感、営業の方には「遅い」ですね。ですので、「基礎をしっかり」という考え方は別の機会に利用することにし、研修をリードする方は、どこにこのlow hanging fruitがぶら下がっているかを、必死に見つけ、それを研修の早めにすらっと入れるのです。人は単純で、結果が出ると「燃えます」。生徒が燃えると講師も燃えます。

broken image

では一体何がこのlow hanging fruitに相当するのでしょうか?受注はビジネスサイクルとの兼ね合いで難しいかもしれませんね。特に新規案件は通常は時間がかかるものです。ではアップセールス(既存のお客様への売上増)やクロスセールス(既存のお客様が他の商品を購入)はどうでしょうか?これはいい考え方ですが、やはり多少の時間が掛かるでしょう。では他に数値として時間出来るものはなんでしょうか?ここでは分かりやすい3つの指標を述べてみたいと思います。

  1. 個人プロフィールのFollower数
  2. 個人プロフィールのつながり
  3. 企業プロフィールのFollower数

これらの指標は分かりやすいだけでなく、自分のコントロールでなんとかなるものです。時間投資が行われば、必ずリターンがあるので、受講生と講師のWin-Winになりやすい指標ですね。

その他の「行動か視覚化出来る」という意味では既存のデーターベースとリンクトインの掛け合わせがあります。事前と事後を比較することにより、前進が実感できますね。実感は人を動かすとても大事な要素です。

結論3 - とにかく行動する

ソーシャルセリングは動けば動いた分だけ結果が出ます。行動量が多い人は結果が出るのが早いので、次の行動への判断も迅速ですね。ですので、行動数値目標を出すようにすると良いでしょう。

例えば「100本のポストを書きましょう!きっと人生が変わります」と言っても、響きませんが、「来週までに2本お願いします」であれば、グッと親近感がわきますね。ここ簡単ではないのですが、状況ややる気そして能力を見ながら決めていく必要がります。動きが止まらないように宿題や提案をする必要があります。

この継続行動の目的は、

  1. 活動量に慣れてもらう
  2. 継続力を養うという

高貴な理由がありますが、現実的には初期の段階で動いていないと結果が出ないんです。これは講師にとっては致命的な「まずい状況」が待っているのと同じです。

次は研修方法について見てみましょう。

研修方法1 - MBA等で利用しているフレームワークを使ってみる

これは効果的です。感と経験より、アカデミックで認められているフレームワークには発案者の名前がありますし、歴史があります。高等教育で利用されているフレームワークの利用は、コースと講師の権威性が上がり、受講生の姿勢も異なってきます。また実際のところ情報整理にはぴったりです。MBAで学習するフレームワーは30種類を超えますが、簡易なこれらはすぐに活用できるでしょう

  1. The value proposition canvas (一番好きなカンバス。誰にでも分かりやすく応用しやすいのが特徴。Canvasはさまざまな種類があり、その他有名なものはリーンカンバスやビジネスモデルカンバスがあります)
  2. 競合マップ(縦横軸に価格や仕様を比較したもの)
  3. 地域別売上と伸び率比較マップ(売上大が伸び率マイナスと売上小だが伸び率大では攻め方が大きく異なる)
  4. キーワード分類チャート(キーワードを3つに分類し、その用途を明らかにする)

研修方法2 - 科学的そしてアカデミックなアプローチを取り入れよう

科学的かつアカデミックなアプローチは、数値を集めたり、それを分析することだけではありません。アプローチの改善も含みます。例えばメーリングであれば、配信率、開封率、クリック率等が入手できますね。この時に「なぜ?」という質問を入れるのです。なぜこの配信率なんだろうか?この疑問に答えるためには、研究という作業の他に、理解した理論の実証が必要になります。こうして発見から証明まで行えると、強固な理論が出来上がり、強い攻めができるようになります。

アカデミックなアプローチは慣れと時間が必要です。ベテランは当たりの経験値が高いので、一緒に参加されているのであれば心強いですね。ベテランの勘を、証明することで、新たな発見が見つかることでしょう。またテクノジーや社会の変化が得意な人との組み合わせは最良にも思えますね。

今までの「声が大き営業勝ち」から決別出来る良いチャンスと思います。

研修方法3 - アクティブラーニングを取り入れよう

これは高等教育のハッキリとした新しい傾向です。私が教壇に立っている ESIC Barcelona では100%の移行が今年(2021年9月から)実施されます。簡単にまとめると、今までの先生が教えるというスタイルから、生徒が中心となるという事です。マスターコースの生徒たちは予習が必須になります。

このスタイルを100%取り入れるのは企業研修では講座の時間制限、そして、受講生への予習の義務付けと業務との兼ね合いのバランスが取りにくいためチャレンジではありますが、少なくともトレーニング中には、一方的な講座ではなくて

  1. 課題実施
  2. 課題発表
  3. 参考リファレンスの提供
  4. 宿題の設定と受講生自らの約束

が含まれていれば良いと思います。受講生の発言、そして課題発表時の意見交換が多いほど、長期記憶に残りやすいトレーニングになります。そして満足度も上がります。

営業と他の部門が混ざったトレーニングは大半が同じ内容ですので、同時に実施可能です。しかしリード開発のためというお話になると、興味本位と本気ではトレーニング内容の受け取り方が大きく異なりますし、例え話も異なるので、お勧めしません。

基本コースと呼ばれる

  1. リンクトインとは?
  2. なぜリンクトイン?
  3. 何をすればいいの?

はご一緒になされて、あとは各部門のニーズに合わせてトレーニングをされる方がよりシャープな研修ができるはずです。

ボーナストラック

ポストをしたり、ブログを書いたりすることは、マーケや直接的な営業に繋がる活動ですが、実は秘密の効果があります。それはOutputを行うことにより、より優れた知識が身につくのです。脳の記憶の出し入れがあると、短期記憶と長期記憶が繋がりやすくなります。この繋がりの強化が、記憶を呼び出すスピードの向上と、より広い範囲の記憶へのアクセスが可能になります。記憶が繋がると、思考に繋がるベースができるので、より深いOutputが出来るのです。

この論理は学習と一緒で、より多くの文面を書いている人は、より多くの活発な記憶を持っていることは、我々の常識でも常識でもわかるはずです。

アクティブラーニング理論では、Inputだけでは全くダメで、Outputを強く推奨しています。私が担当しているビジネススクールの授業では、Output重視で強力に進めた結果、生徒から高評価を頂いています。

文章を書くって、慣れていないと本当に大変ですが、ここが運命の分かれ目と思い、ご自分で努力されると、必ず報われます。最初はコピーペーから始めても構いません。初期訓練と思い、是非挑戦されてみてください。

著者紹介: 鎌田保 Tamotsu Kamata 1967年生まれ スペインバルセロナ在住。2016年よりMBAで教えながら、2020-22のMBA生徒でもある、ダブルMBAにチャレンジ中。AcademyInの名で、企業向けそして個人向けに20社以上、500名以上の実績を持つLinkedInのビジネスコーチやコンサルを行っている。総合商社出身。1999年にスペインに移住。その後、スペインで初のクリック保証インターネット広告会社を起業する。

リンクトインで「#リンクトイン活用」検索を行うと、科学的なアプローチを中心としたヒントが多く見つかる