「LinkedIn活用で就活を乗り切る」は欧州では全く当たり前です。日本のLinkedInメンバー率(全人口との比率。2020年11月26日でリンクトインメンバーは約2.2百万人。日本の人口は世界銀行の調べでは126.5百万人なので人口比で2%となる。例えば米国は52%となり、圧倒的な差があります) はこれからですから、日本の大学生や院生に取っては目新しい手法かもしれませんね。ここでは簡潔にどうやったらLinkedInを上手に利用して、理想の就活が出来るか、一緒に検討してみたいと思います。
1.就活をLinkedIn活用で乗り切る結論
LinkedInは魔法のツールではないのですが、ハリーポーターの魔法の杖と一緒で、活用の仕方がわかると、びっくりするぐらいのパワーツールになります。リンクトイン活用に当たっての姿勢と活用方法のトレーニング次第で、結果は大きく変わります。トレーニングは大事で、ここでは試行錯誤を意味します。正解に飛びつくより、どんどん自分で試してみるのが結局習得の早道です。
LinkedInのアルゴリズムを理解して、手っ取り早くトラフィックを得たいという人にはこちらのポストが参考になるでしょう。リバースエンジニアリング(母集団を集め、データーから回帰直線を求めることが出来ました)を行った例です。
目次
- 就活をLinkedIn活用で乗り切る結論
- LinkedInで可能なことと不可能なこと
- LinkedInが上手くいかない人の典型例
- LinkedInを上手にやっている人の典型例
- 学生のLikedIn活用に当たっての課題典型例
- 就活でのLinkedIn活用方法
- 関連ポストと参考リンク
2.LinkedInで可能なことと不可能なこと
「LinkedInをやれば、良い仕事が自然に落ちてくる」と思う人がいますが、実際はそうではないのです。しっかりとした期待値をコントロールしないといけませんね。そこでプロの立場で何が出来て何が出来ないかを、LinkedInに関して500名以上の受講者とコーチングをした経験を共有したいと思います。以下箇条書きにしますね。
—可能なことのまとめ—
良い就職(良い会社や希望の会社や職種、そしてお給料アップ)ができる
—不可能なことのまとめ—
特になし。全てあなた次第
LinkedInのメンバーは大きく分けて4つの利用動機が、AcadmyIn.jpが実施した調査からわかっています。
- 情報入手
- 就活
- ビジネスを作る
- いつか美味しい話が落ちてきて欲しい
人脈と回答される方は非常に多いのですが、もう少し突き詰めるとこれら4つに落ち着きます。
3.LinkedInが上手くいかない人の典型例
「リンクトイン登録してX年」とか「つながりの数がXXXXあるんだ」という話はどこかで聞いたことがあるかも知れません。この種の数字を自分の数字と比較した時に、「すごいな、あの人は!」と思うことがあるかも知れませんね。
ここはもう少し深掘りして、情報を整理する必要があるのですが、LinkedInをやっているのにうまくいかないと愚痴っている人の典型例は、こちらになります。
1. 登録しただけ
2. つながり数にこだわる
3. ポストへの反応はするが、仕事人ぽくない
4. 顔写真が犬
5. プロフィールがつまらない
6. 誰とでも繋がる
7. ポストがFacebook
8. 自分のポストが読まれていないことに怒る
9. 相手に即レスを期待している
10. Who are you?の回答を持っていない
上手くいっていないという判断は本人しかわかりませんが、500名を超えるコーチング実績から申し上げると、かならず何かの条件が当てはまります。LinkedInはビジネスSNSで、プロフェッショナルのコミュニティーです。ここを理解すると、例えば、顔写真の重要性がわかると思います。学生ですと、どうしてもエンタメSNSの延長になりがちです。これはマインドセットを変える必要があります。どんちゃん騒ぎのポストはLinkedInには相応しくないだけでなく、せっかくの人事との面接を台無しにしているかも知れません。
こちらの人事は面接フィルターで必ずSNSをみます。ビジネスSNSのリンクトインだけでなく、エンタメ系も見ます。Twitterも見ます。Twitterで不適切な発言をしていて(直近ではなくて過去のTwitter)、入社直前にキャンセルにあった例は実際にあります。
4.LinkedInを上手にやっている人の典型例
ではLinkedInを上手(素敵だなと思う)にやっている人の典型例を見てみましょう。
1. 継続性がある
2. 自分でいろいろ試している
3. 発言に魂がある
継続性は安定性とほぼ同義語ですが、ビジネスSNSでは専門性の発揮とも言えます。特定の分野での連続発言は、この人なら大丈夫という信頼性にもつながりますね。継続して発言している人のコメントの質はやはりどんどん良くなっていくものです。特にそれはポストに顕著です。継続性がパーソナルブランディンの構築での最大のキーポイントでもあるので、これは非常に重要なポイントです。「リンクトインに投稿しているけれどぜんぜん上手くいかないんだ」「へー、どのくらい投稿したの?」「5つぐらい」このような会話はよくありますね。
私の師匠の皆さんは私が「2桁頑張ります」といったら笑って「4桁なったらまた連絡な」と平気に言っていました。量より質という人がいますが、まずは量で基本を磨くことが大事と考えます。
これは2の「自分でいろいろ試している」にも通じるのですが、とにかく行動に移して試しています。例えば「動画が4倍のエンゲージメントがある」と聞いたら、すぐに試して評価をしています。LinkedInのプラットフォームはインターフェースという言われるメンバーが見ている画面のみならず、仕組みやロジックが頻繁に変更されます。そしてどのような変更が行われいるかはLinkedInの社員でさえ把握は不可能です。1日300以上の小さいなテストが世界中で実施されているのがLinkedInです。そのようにして機能改善を繰り返してプラットフォームを維持し、改良しています。
最後の「発言に魂がある」というのは、パーソナルブランディングに通じる点でもあります。この人と知り合いたいとか、このいいとかそんな感覚を行間から受けることをいいます。SNSですから、ご本人の人柄は文字と映像からしわかりません。いろいろな方が自由に発言されているのがリンクトインです。どうしても好き嫌いが出てきますね。これは全く普通のことで、このような感情を持つのは当たり前です。気に入った人をフォローしたり、その人のポストにコメントをするように自然になってくるでしょう。このような方々は大事なファンです。発言に魂があるというのは、受け手の感覚でしか評価できませんが、最近つながった Reina Sato さんを例に上げてみましょう。彼女のポストをみたら、一緒に仕事がしたいと思うはずです。この感覚にさせてくれる彼女、これってすごくないですか?
5.学生のLikedIn活用に当たっての課題典型例
学生の皆さんの就活にあたってLinkedIn活用の課題はどうやら
- 何を書けば良いか分からない
が圧倒的に多いようです。これ最初は冗談かと思いました。学生はポストにすることが多いので、社会人から見るととても羨ましく思います。
学生程、ポストねたがある人生の期間は、私はないと思います。今EMBA(Executive MBA-社会人のためのMBA)を受講していますが、ネタが落ちまくっている感覚です。EMBAの受講に関して2020年の10月からリンクトインでポストしています。例えば「53歳のMBA受講物語を準備中」です。ご興味のある方は、#EMBA受講 #ESICBarcelona をLinkedInでフォローして貰えると良いでしょう。
学生の皆さん向け簡単にまとめると
- 学生はポストに出来ることが多い。もしここがイメージ出来ないのであれば、発想の転換が必要。授業で学んだことをどのように社会で応用できるかは一番取っ付きあい安く、プロフェッショナルな例と言えるでしょう。
- FacebookやTwitterのノリは捨てた方が良いです(マインドセットを変えようという意味です)。リンクトイン はビジネスSNSであり、また就活の場所でもあります。
- 観察をする必要がありますね。気に入った人や会社を見つけて、まずはどのような動きをしているのか観察をするのです。またプロフィールは非常に大事ですから、様々な例を研究することにより、自分らしさを最大限に伝えることが出来るプロフィールの書き方が見つかるはずです。
- ターゲットは誰?をいつも考える。これは周りにアドバイスして頂ける人がいるといいですね。ビジネスSNSという環境の中で、なんのためにLinkedInを行い、誰にメッセージを伝えたいのかです。就活であれば、狙った業種や会社の情報を集め、Followし、コメントをします。そして目的以外の行動を慎み、時間を最大限に利用するのです。そのためにターゲットを意識することは非常に大事です。
- 狙いを定めることが出来たら、相手に価値のあることを提供することを意識するです。学生にありがちなのは、「教えてください」というお願いですが、これですと価値がありません。仮説や、自分の意見をのべたり、調査結果を発表したりと、いろいろ出来ると思います。
- 継続力は項目4の「LinkedInを上手にやっている人の典型例」でも申し上げましたが、ほぼ信用力と同意語と言っても良いと思います。継続性のある人には、安定性があります。あきっぽい性格は、採用する方から考えると、避けたい性格の一つです。
- プロフィールは学生でもプロレベルを目指しましょう。プロフィールをみた瞬間に、相手は「この人は良さそう」等々判断します。それも一瞬です。ですので十分な時間をかける必要があります。大学の就職課に相談して、LinkedInのプロを呼んで講習会を開いてもらうのが良いでしょう。勿論AcademyIn.jpを呼んで頂ければとても嬉しいですね。LinkedInでは学生向けの企画を無料で行っていますので、そちらに積極的に参加しても良いかも知れません。また学生がLinkedInを利用するのは世界では当然ですから、今後は日本でも学生向けの企画がどんどん出てくるかも知れません。もし存在しないようであれば、ご自分で企画されても良いと思います。その場合はLinkedInのプロフィールのプロジェクト欄に記載を忘れないでくださいね。
- 大学の授業と社会体験を120%活用しましょう。授業のノートを参考にし、発表したり、卒論はLinkedInで公開することを前提に作成しても良いでしょう。大学の時間は自己投資には最適なタイミングです。一般公開することを前提に取り組むと、リンクトインで公開するネタねたに困ることはないでしょう。
6.就活でのLinkedIn活用方法
企業は一体どんな人を採用したいのでしょうか?私が採用者であれば、「弊社への理解がある」「弊社への熱意がある」「弊社の将来とマッチする感覚を受ける」の印象と事実は大事です。この辺りが鍵ではないでしょうか。新卒であれば、実務能力に重点を置くことは稀でしょう。となると、以下ポイント対策すると良いでしょう。
- 就職希望会社の研究とエンゲージメント
- 実際に働いている人とのエンゲージメント
- LinkedInでの活動をこれらのエンゲージメント絡め、自分が将来性があることを証明する行動
エンゲージメントは会話やLikeやShareを含む接点を意味します。1を例にとると、
- 希望する会社の企業ページのフォロワーになります
- ポストを注意深く観察し、内容のあるコメントを残す機会を伺います
- 希望する会社の希望部署のメンバーをフォローします。つながり申請ではありません。メンバーがいないようであれば、会社のトップレベルと人事部のメンバーをフォローします
- ポストを注意深く観察し、内容のあるコメントを残す機会を伺います
フォロワーになるとフィードにポストが表示されやすくなり、自分で関連ポストを探しにいく手間が省けます。こうしてポストを研究すると会社文化や内状が見えてきます。意外な発見があるかもしれません。
またLinkedInでエンゲージメントを実施すると、相手がプロフィールを見に来る可能性が高くなります。この時にしっかりした印象を与える事ができたら、今後のエンゲージメントの質が変わるでしょう。逆にショボかったら? The chance's goneとなります。この事からプロフィールの完成度は非常に大事という事がわかると思います。
7.関連ポストと参考リンク
就活に関する関連ポストと参考リンクはこちらからです。いろいろと眺めてみると良いでしょう。Mindset Shiftsとか世界銀行は一見すると関係がないように見えますが、これらを一読しておくと、世界観が広がると思います。データーの出典で「世界銀行の発表資料によると」の一言を添えるだけで、あなたの印象レベルは5段階アップです。